コンサルタントのための「トゥールミンモデル」プチ講座

コンサルタントの皆さん、また、SE・プログラマの皆さんには、聞いたことのない人が多いと思いますので、トゥールミンモデルの簡単な紹介をしておきます。論理思考を押し出している職業の方は、知識としては持っておいたほうが良いと思います。

このモデルの基本は、データ(data)から主張(claim)を導くというものです。前回のイワシの例はそのままですね。

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これに論拠付け(warrant)がついて、基本の3項目からなるモデルになります。

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トゥールミンモデルの完成形は、あと3つ要素を持つものです。説明はややこしいので省きますが、イワシの例を見てもらうとイメージわかると思います。「イワシが魚だと書いてあるどんな文献があるんだよ」と突っ込み入りそうですが、そのあたり目をつぶってください*1

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はっきりいって、ビジネス判断をする経営トップにとってはどうでも良さそうな緻密さだということについては、同意いただけるのではないかと思います。いちいち細かい検証している間には、さっさと意思決定しろとなりますね。

一方で、新しい医薬品の効能を主張するとか、裁判所で法的な申し立てをするとか、だと必要そうな気がするというのも、異論ないかと思います。雑な判断で医薬品作られたり、判決出されたらたまりませんからね。それでも記号論理学と比較すると雑な記述だと思いますが。なにごとも適材適所ということです。

基本の3項目を左に60°回転(90°じゃなくて)して、三角形にしたのが三角ロジックです。表現というのは重要で、三角形にしたことによって、日本での普及を推進した貢献は大きいと思います。わかりやすいですからね。

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特に「事実とそれ以外の根拠に分けて考えるのは大切」「その他の根拠も明確に意識すると良い」という説明ができる点で、とても素晴らしいモデルだと思います。

私の提案している3層論理構造(WHSLモデル)について言えば、わざわざ言わない、いちいち断らないことなら、全部まとめて、コンテキストにざくっと入れてしまいましょうという話です。ただし、見えないけれども大切なものが確かにあるんだよという主張ではあります。

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*1:どうでもいい話ですが、魚類の同定には使う本があるのだそうです。「日本産魚類検索 全種の同定」中坊 徹次 (編), 東海大学出版会 (2013) https://www.amazon.co.jp/dp/4486018044/